追加作品掲載のお知らせ
実店舗での展示会期が終了したばかりの船串篤司さんの個展。
ギリギリまで粘って仕上げていただいた作品たちが最終日に追加で納品となりました。
OnlineShopに未掲載のだった作品の中からいくつかご紹介いたします。
銀彩掛け分けの鉢。
薄手の黒いシンプルな7寸(21㎝)ほどの鉢ですが、浅すぎずボウルほど深すぎず、ものすごく盛りやすいのです。何とも絶妙なまあるいフォルムと外側の底に近い部分だけ銀彩が施されている姿がほどよく力が抜けた感じで、つくづく船串さんらしいと思ってしまうデザインの鉢なんです。
全身真っ黒でも文句なしにカッコいいのですが、食卓上では見えるか見えないかくらいかの場所にこんな余所行きのお化粧をさせて、決めすぎな感じになっていないところがいい。
実はこの鉢、ぜひにとお願いして作っていただきました。
自宅でこれと同じデザインの鉢をもう何年も愛用していて、もう、ありとあらゆるお料理に使い込んできたのです。
正直、何を盛っても「これはこの料理のためにあるのでは?」と思えるほどしっくりきてしまう。使うたびに惚れ惚れ…。
山盛りのサラダ、パスタ、煮物、果ては丼ものまでなんでもピタリ。
2~3人で取り分けるくらいの量を盛っても、一人用をゆったり盛ってもちょうどよい、大きすぎず小さすぎずな絶妙のサイズ感。
よく店頭で「こんなオシャレなうつわに合う料理を作れない」という方がいらっしゃいますが、むしろ逆なんです。適度な傾斜が盛りやすく、色と質感で格上げしてくれるので、普段のお料理でも洒落て見えるのです。
船串さんのうつわ全体に言えることかもしれませんが、デザイン自体はシンプルなので、料理を選びません。和洋中、ジャンルも選ばないのは、船串さんのうつわを選ぶプロフェッショナルの方が多方面にわたることからもうかがえます。
ただの炒め物だって、こんもり盛るだけでおもてなしのテーブルに出せる雰囲気になるものだから、ついつい手に取ってしまうのです。
ゴーヤチャンプルーでもこんな具合です。なんだか作っていた時より美味しそうなんです。それにしても船串さんの黒は緑をキレイに見せてくれますね。無機質なべったりした黒ではなく茶色、金色がかった複雑なブラックはなんとも奥行きがあります。
さりげなく銀彩とツートーンになっているところが、ふとした時に違いを見せてくれて、ますます愛おしくなってしまう。惚れどころ満載です。
銀彩を使ったことがないという方も挑戦しやすい一枚かもしれません。銀の部分は時間の経過とともにくすんでアンティーク調の色合いに変化しゆき、ますます雰囲気がでてきます。その変化もぜひ楽しんでいただきたい。
そして、今回定番のプレートとともにリクエストして作っていただいた縁ありプレート。このプレートの使い勝手の良さは説明するまでもない気がするほど間違いのない形です。
ゆったりと広い盛り付けスペースと扱いやすい控え目な立ち上がり。フォークナイフを使うにも邪魔しない絶妙な高さ。
八寸として前菜やデザートを盛り合わせても、メインディッシュにも、かと思えばパスタやサラダ、ソースがあるものにも使える、幅広い用途。
縁のエッジに向けての立ち上がり部分の美しさも船串さんならではの絶妙な形です。
アイコン的存在で不動の人気を誇る定番プレートに加え、この縁ありプレートもあたらしい定番として定着してゆく作品だと思います。
今回到着の黒は、色味が金茶よりの黒で、同じ黒い釉薬でも青味がかった黒に仕上がることもあるのですが、秋らしい、優しい色合いの黒に焼きあがっています。
前回大きなサイズでご紹介した縁が内側に入り込んでいる浅鉢も、一回り小さな7寸が加わりました。
完売していた定番プレート類も各サイズ、深さのあるラウンド、ドラ鉢などが追加となっています。
また、数は少ないです抹茶碗などの1点ものも、船串さんらしい優しいながらも凛とした気品を感じさせてくれる作品が届いています。ぜひご覧ください。